行政書士を目指したきっかけ

私は大学の法学部を卒業後にいくつかの転職を経験し、25歳の時にQE有限会社(イニシャルで書いておきます)が運営する学習塾に就職しました。

学生時代には自身の学力に対する不安から「自分が塾で働くなんてありえない」と思ったものですが、やってみると意外と学習塾というものが私の肌に合っていたようです。

(塾に関しては、学力よりもコミュニケーション能力の方が重要だと思います。学力がどんなに高くても相手の気持ちに寄り添えなければ講師としては不向きです。)

QE有限会社の社長(ここではS藤と書かせていただきます)は非常にワンマンな人物で、会社自体はいわゆるブラック企業というやつでした。

拘束時間の割に給与は低く、賞与も貰ったことはありませんでした。

夜中の12時過ぎに電話が来て呼び出されて売り上げを上げるための説教をされるなんてことも何回もありました。

ただ、仕事自体にはやりがいがあったため、続けていました。

私がQE有限会社に勤めてから6年目くらいの2008年に少しずつ環境が変わり始めます。

「あれ?ここ潰れるんじゃないか?」という兆候が出てきたのです。

そんな中、2009年にQE有限会社の社長のS藤から、1校舎を買い取って独立を勧められます。

独立は魅力的でしたが、当時の自分には貯金もほとんどなく、独立の資金を捻出することはできません。

しかし、独立することで自分のやりなれた仕事を継続しながらそこで得た売り上げを独占することができる。

これは当時の私にとって非常に魅力的でした。

そこで私はS藤のアドバイスに従い銀行から融資を受けることにしたのです。

融資を受けるためにS藤のアドバイスに従い、株式会社を設立しました。

そして、私の株式会社名義で融資を受けて1校舎を買い取りました。

権利金以外には教室内の内装費用や教室の大家さんへの敷金・礼金など、思ったよりもお金が掛かりました。

すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、そもそもここで私は大失敗をしたのです。

そう、独立をしたのにも関わらず、内装を受け持つ業者や大家さんへの手続きなど、S藤の「大変だろうから俺が全部やっておいてやる。だからお前は授業に集中すればいい」というセリフを鵜呑みにして騙されてしまったのです。

そして、ある日S藤は行方をくらまします。

必要経費プラス私の車を持ち逃げして。

(内装等のいわゆる設備投資資金に関しては融資実行時に業者に振り込まれるのですが、その業者から一部払い戻しを受けていたそうです)

金額にして約700万円を失った私は、この事件のあと、しばらくは仕事どころではなかったことを覚えています。

今ではそのあたりのことは解決しております。

(今では理解できるのですが、当時の自分からすると)驚くべきことに、行方をくらましたS藤の件に関して、「相手の住所がわからないとどうしようもない」という点で、弁護士も警察も誰も力になってくれなかったのです。

これは本当に参りました。

何の肩書も人脈もなかった自分はここで本当に打ちのめされました。

過去の人生の中で一番無力感を感じました。

二度と味わいたくない感覚です。

ただ、S藤を許すことはできないと思う反面、楽な方に流されて自分で調べたり考えたりすることを怠ったことを深く反省しました。

そのため、自分や自分の家族を守るためにも、法律の知識が欲しいと考えました。

それも、ただ単に詳しいだけでなく知識があることを証明でき、自分自身の存在意義を示してくれる「資格」をもつことに強くこだわるようになりました。

しかし、当時の自分は起業をマイナスの状態からスタートしてしまったため、まずは生活の安定のためにも学習塾の経営を安定させることを優先しました。

数年経つと、少しずつですが口コミや紹介をいただけるようになり、運営は安定していきました。

ありがたいことに現在では自分の会社も14年目に突入することができました。

資格取得に向けてようやく考え始めることができるくらいに会社が安定するまで約7年くらいかかりました。

普通に独立できていればこんなに時間はかからなかったでしょうし、そもそも資格を取ろうとは思わなかったと思います。

そういう意味では騙されたことにも意味はあったということかもしれません。

今後もS藤を許すことはありませんが、精神衛生上、無理やりプラスに考えるようにしています。

法律系の資格を取得するとなると、弁護士、司法書士、社労士、行政書士、宅建士などがあるわけですが、それぞれの資格の業務内容を調べた際に興味をひかれたのが、取り扱える業務の幅が広い行政書士でした。

さらに自分の仕事以外のプライベートな時間を考慮した時に、弁護士、司法書士、社労士は学習時間の捻出が困難であると判断しました。

もちろん、資格を取得するまでの学習期間を長くすれば、学習時間の確保は可能かもしれません。

しかし、経営する学習塾が本格的に忙しくなるのが秋から冬にかけてなので、約6ヶ月くらいで学習を完了させられそうな行政書士に狙いを定めたということも実際にはありました。

そして、2016年に行政書士試験の勉強を始めることにしたのです。

行政書士試験の勉強法に関しては、別の記事に書かせていただいておりますので、もしよければご一読ください。

ここまでご覧いただきありがとうございました。

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